さて試験当日。ぶっちぎりの合格のつもりだったが…
いよいよ試験本番がやってきました。当時も今と同じ、10月の第3日曜だったと思います。
私は試験会場へと足を運びました。指定された自分の席に座り、周りを見渡すと…
「うおお、おっさんばっかりやんか!」
現在は私もその「おっさん」の仲間入りを果たしているのですが…当時まだ学生だった私は、失礼ながらそんな感想を抱いてしまいました。
前年行政書士試験を受験したときは、そのようには感じませんでした。宅建を受ける年齢層は高いんだと、改めて思ったのです。
試験開始時刻は、今と同じ1時からだったのではないでしょうか。
開始時間が近づくにつれ、さすがに緊張感は高まります。
「…民法はしっかり勉強した、宅建業法もかなりやりこんだ、都市計画法や建築基準法なんかもちゃんと押さえた。だから落ちるはずはない!」
そう何度も自分に言い聞かせながら、試験開始の合図を待ちます。
試験が始まった。でも何かがおかしい。
やがて試験官の合図があり、試験が始まりました。私は快調なペースで問題をスイスイと解いていく…予定だったのですが…
「あれっ、何だか難しい…」
過去問や練習問題を解いていたときの感触と、明らかに違います。「答えはこれだ!」と確信が持てる問題が妙に少ないのです。
おかしい、こんなはずではない…緊張して頭が働かないのでしょうか?
正直言って、試験を受ける前は、合格点など悠々に超えて合格できる、そう思っていました。
しかし、思いの外手応えのない感触に愕然としながら、これはヤバいぞ…と嫌な汗が噴き出してきたのを覚えています。
私は、自分の自信を取り戻すために宅建の受験を決意しました。そして私なりに3ヶ月の間、必死になって努力したつもりでした。
勉強期間は3ヶ月でも、毎日の勉強時間は長いのです。一般に、合格に必要な勉強時間を遙かに超える勉強時間を確保して勉強したにもかかわらず、この体たらく…私は3ヶ月の間、何をやっていたのでしょうか…。
何とか全問を解き覚えたものの、感触としてはとてもとても合格を確信できるようなものではなく、ボーダーラインに乗っていればラッキー、というような感じでしょうか。
脱力感いっぱいのまま、私は試験会場を後にしました。
私の努力は報われるのか?
帰り際、私の気も知らずに資格予備校がのほほんとパンフレットを配っていました。私が受け取ったパンフは「日建学院」のパンフ。
そのパンフに、明日(だったと思います)解答速報を配るという旨の記載がありました。
一応答え合わせをしてみるか…私は明日解答速報をもらいにいくことにしました。
今とは違い、インターネットで誰でもすぐに解答が見られる時代ではなかったんですね。
Windows95が発売されたのがこの年の11月ですから、まだ家庭でのネット環境は整っていなかったのです。
翌日、私は自転車を飛ばして、日建学院に足を運びました。
そして、自己採点の結果は…?